おとがわプロジェクト

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都市戦略をぶちかませ。まちは僕らのステージだ!「まちのトレジャーハンティング@岡崎」レポート

2017年2月18日・19日の2日間にかけて「まちのトレジャーハンティング@岡崎」が開催されました。トレジャーハンティングとは、まちに眠っている資源や魅力という“お宝”を発掘し、それらの活かし方・使い方を提案する市民参加型のイべント。

今回行われた岡崎版トレジャーハンティングでは「都市戦略をぶちかませ」というキャッチコピーを掲げ、市民自らがまちの未来と自分たちの暮らし=都市戦略を提案するという、全国の試みを実施しました。

岡崎のまちなかに眠る“お宝”を探す
岡崎のまちなかに眠る“お宝”を探す

 

会場の岡崎シビコ6階には、岡崎市内外から選りすぐりの40名の参加者が集まりました。今回、参加応募総数は定員の40名を大きく上回る82名。公共と民間が一体となって市民主導で都市戦略を考えるという全国初の取り組みということもあり、事前の注目度が高かったことが伺えます。

トレジャーハンティングに参加したのは、老若男女、高校生や子育て中の主婦、社会人など様々。また東京や名古屋、東北など、岡崎市外からの参加者の姿もありました。

また、全国各地で活躍しているまちづくりのスペシャリストが、まちあるきやプレゼンテーション作成などの全体を通したサポートを担うトレジャーハンター(ユニットマスター)として参加。その統括の役割を担うのが、「ハンター使い」の青木純氏です。

開会式のガイダンスで、青木氏は「中途半端なことをやってもなにも変わらない。2日間で、徹底的に自分たちの未来の暮らしについて考えましょう」と語り、参加者の士気を高めました。

全国でリノベーションまちづくりに取り組む青木氏
全国でリノベーションまちづくりに取り組む青木氏

 

1日目は、まちを歩いて、眠っている魅力─“お宝”を探し出し、作戦を練ります。2日目は、各ユニットで考えたそれぞれのエリアのまちの未来図を報告会で発表しました。

参加者はユニットAからEまで5つのチームに分かれ、それぞれ東岡崎駅前・中央緑道エリア、旧東海道・六供エリア、りぶらエリア、伊賀川エリア、乙川エリアを担当します。

はじめに各ユニットは担当エリアを歩き、まちに眠る“お宝”を探します。「こんなところに空き地がある」、「川辺は気持ちいいけど、川へ行くまでの道に高低差があって歩きづらいね」、「この駐車場が一面公園だったらいいのに」、「車がどんどん通っているのに、人が全く歩いていない」……など、様々な意見が表出。普段、何気なく通り過ぎているまちの魅力と課題が、見方を変えるとどんどんクリアに見えてきます。

メモを取りながらまちあるきをするユニットD
メモを取りながらまちあるきをするユニットD

 

まち歩きを終えると、会場の岡崎シビコへ戻り、まちあるきの感想や気づき、アイデアなどを話し合いました。「お母さんと子どもだったらあの場所をどう使うだろうか」、「ここでコーヒーを飲めたら気持ちが良いよね」、「地下駐車場のスペースがもったいない、もっと市民に開放しよう」「あのエリアなら、近くで働いて近くで暮らすことを実践できるのでは」など、魅力になり得る可能性を見つけた各ユニットは、具体的なイメージとともに提案が立ち上がり始めます。

現状を否定するだけではなく、現実の魅力をぐっと引き上げるようなアイデアが次々と湧いてきました。しかし、プレゼンテーションを翌日に控え、なかなか提案の方向性がまとまらないユニットも。話し合いは、夜にまで及びました。

熱い議論が繰り広げられました
熱い議論が繰り広げられました

 

そして19日には、議論からプレゼンテーション作成のフェーズへ移行します。報告会での発表形式は自由。自分たちが考えたアイデアやイメージを伝えるため、各ユニットは奮闘します。まちへ繰り出して取材や撮影を行ったり、パワーポイントやデザインイメージを作成したり、更にはギターの練習まで!それぞれの参加者が持つ特技やスキルを用いて、ひとつの提案を作り上げていきました。

参加者みんなが協力してプレゼンテーションを作り上げました
参加者みんなが協力してプレゼンテーションを作成

 

報告会は、参加者が四方を囲むレイアウトのステージで行われました。

わたしが参加したユニットC「りぶらエリア」チームは、学生をはじめ毎日たくさんの利用者がりぶらに訪れていること、一方、その来館者たちがまちなかには訪れていないことに気づきました。そして「りぶらに訪れている人が、もっとまちなかに足を運べば、まちがもっと元気になるのでは」と考え、そのために周囲にある駐車場を統括的にマネジメントし、岡崎シビコをはじめとしたまちなかへ人を回遊させるためのオープンスペースの再整備を訴えました。

「僕らの都市戦略」と題したユニットA「東岡崎駅前・中央緑道エリア」チームは、岡崎市内の高校へ通う女子高生がステージへ登壇し、再整備が計画されている中央緑道エリアに「人と人がリアルで繋がれる場所を、自分たちの手で自由に作りたい」と語り、公共空間を舞台に「自立する市民の姿」を提案しました。

ユニットB「旧東海道・六供エリア」チームは、狭い路地が入り組む個性的なまちなみが残る六供エリアの魅力を見い出し、この路地や空き地に利用した新しい働き方や子育てなどの暮らし方のアイデアを発表しました。さらに、まちのことを自分ごととして捉えるために「みんなの気持ちを1mmあげる」というキャッチフレーズを掲げ、参加者1人1人がまちとの関わり方を宣言。この中で、移住や起業といった大掛かりなことではなく、ただまちを訪れ歩くだけの「まちのエキストラ」も、まちにとっては重要な役割だということを伝えました。

プレゼンテーションの先陣を切ったユニットA

 

岡崎城や八丁味噌蔵など、岡崎らしいコンテンツが身近に存在する伊賀川エリアを担当したユニットD「伊賀川エリア」チームは、「遊ぶように働く」という職住近接の暮らしをエリアブランディングとして提案。感度が高い住人を呼び込む作戦を発表しました。

5時間かけて乙川周辺を散策したなかで、出会った人はたった「2組!」という衝撃的なデータを提示したユニットE「乙川エリア」チームは、日常では車に乗り、乙川を普段使いすることがない多くの岡崎市民と乙川とをつなぐ接点をつくる戦略を「艶」というキーワードで打ち出しました。

乙川と市民をSUPを通して繋ぐというアイデアも
乙川と市民をSUPを通して繋ぐというアイデアも

 

そもそも、「都市戦略」とは何か。このまちで、どんな暮らしの未来を描くのか。この難しい問いに対して、それぞれの年齢、性別、職業、立場から、皆が「自分ごと」として真剣に向き合いました。

この2日間を通して、「自分たちのまちを、自分たちで良くしていく」という強い熱意と原動力が高まっていくのを感じました。今回発表された提案内容は都市戦略に盛り込まれ、岡崎のまちなかの未来を作っていくことになります。

 

>>変化を受け入れて、それぞれのレイヤーで未来を描こう。「まちのトレジャーハンティング@岡崎」トークライブレポート

 

【トレジャーハンティング関連イベントのレポート】

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>>トレジャーハンティングから街を動かす都市戦略とは。第5回乙川リバーフロント地区まちづくりデザイン会議レポート

>>価値が低いと思われているものが宝になる。「まちのトレジャーハンティング@岡崎 プレシンポジウム」レポート

前田智恵美

前田 智恵美(まえだ ちえみ)

1984年、宮城県石巻市生まれ。ライター。東京のIT企業でWEB広告営業、WEBディレクターとして勤務後、結婚を機に夫の地元である愛知県岡崎市へ。自動車部品メーカー広報、出版社の新規事業立ち上げ・編集を経てフリーに。「QURUWA」の周辺に住んでいます。

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