よりよいまちへの「引き継ぎ」とその「架け橋」を

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価値が低いと思われているものが宝になる。「まちのトレジャーハンティング@岡崎 プレシンポジウム」レポート

12月16日、図書館交流プラザりぶらホールで「まちのトレジャーハンティング@岡崎 プレシンポジウム」を開催しました。

平日の夜にも関わらず、会場には老若男女70名ほどが集まりました
平日の夜にも関わらず、会場には老若男女70名ほどが集まりました

 

まちのトレジャーハンティング」とは、地域で気づかれていない空間や人、文化、歴史などの魅力を探し出し、「まちの新たな価値」を提案する2日間のイベント。全国各地で広まっており、2017年2月18日(土)・19日(日)には岡崎シビコで開催されます。

今回はそのプレイベントとして、既にまちに新たな価値を生み出しているゲストの2人を招き、それぞれの事例を紹介していただきました。

まず「一杯のコーヒーが街を豊かにする」という理念のもと、宮城県仙台市で移動式・テイクアウトのコーヒーショップを営む本郷紘一さんが登壇。

美容師や経営者という一面も持ちマルチに活躍する本郷紘一さん
美容室やネイルサロンの経営、イベント企画も手がける本郷紘一さん

 

本郷さんは、2015年5月に仲間とともにはじめた移動式コーヒースタンド「SENDAI COFFEE STAND」があっという間に人気になり、その年の12月には仙台のまちなかに実店舗を構えるまでに。さらに、利用率の低い公園で開催した「Brooklyn Dayout」、人通りの少ない緑道を舞台にした「Tohoku Coffee Stand Fes」など、普段使用されていない公共空間を活用したイベントを行い、まちに新たなにぎわいを生み出しています。

「BrooklynDayout」では花壇の手入れや、塗装のはがれた遊具のペンキ塗りなど、公園の維持管理作業もワークショップとして実施しました
「Brooklyn Dayout」全体図。花壇の手入れや遊具のペンキ塗りなど公園の維持管理もワークショップとして実施

 

移動式コーヒースタンドを始めたきっかけについて、本郷さんは「仙台は『杜の都』と言われる通り、緑に溢れたまち。ただ、まちの人はそれが当たり前すぎてその良さに気づいていません。外でゆっくりと美味しいコーヒーを飲むことで、周囲にある緑を楽しむ、そういったドラマを提供したいと思いました」と語りました。その活動がいつのまにか、まちづくりと呼ばれるようになったそうです。

次に、東京都・谷中で“最小文化複合施設”「HAGISO」を設計・運営する宮崎晃吉さんが登壇。

一級建築士としても活躍している宮崎晃吉さん
一級建築士としても活躍している宮崎晃吉さん

 

宮崎さんは、学生時代を過ごした築50年の木造アパート「萩荘」が取り壊されることを知り、「建物のお葬式をしたい」と、2012年に萩荘を舞台にしたアートイベント「ハギエンナーレ」を開催。3週間で約1500人もの来場があり、解体が少し惜しいと感じた大家さんへ、宮崎さんは設計案や収支計画などをまとめたリノベーション案を提案します。

そして2013年、カフェやギャラリー、レンタルスペースなどを有し、“私営の公共施設”とかかげる「HAGISO」が誕生しました。はじめは来場者が少ないなど様々な困難にぶつかりながらも、工夫と調整を重ね、2015年には年間3万人以上が来場するまでに。

それに留まらず、現在は「谷中のまち全体を一つの大きなホテルに見立てる」というプロジェクトもスタートさせ、2015年11月には新たに木造アパートをリノベーションした宿泊施設「hanare」をオープン。さらに、この「まちに泊まる」という取り組みを全国に広げる「日本まちやど協会」も設立しました。

「HAGISO」をレセプション・ロビーとして、まち全体をホテルに見立てる考え方
「HAGISO」をフロント・ロビーとして、まち全体をひとつのホテルに見立てる考え方

 

宮崎さんは「価値が低いと思われているものこそが宝」と言います。例えば空きアパート、使われていない公園や人が通らない緑道など。それらをどんな想いで、どのように使うかによって、まちが変わるということを、2人の事例から教えていただきました。

まちのトレジャーハンティング」では、参加者が5つのユニットに分かれ、それぞれの担当エリアを歩き、お店に入ったり、まちの人と話したり、写真を撮ったりと様々な視点から“まちの宝”を探していきます。そして、みつけた宝をどのように使ったらいいかを話し合い、最後に公開プレゼンテーションでまちのみなさんへ提案します。

さらに岡崎市では、全国初の取り組みとして、このイベントを通して岡崎中心市街地の都市戦略を立てるという狙いがあります。つまり、参加者が考えた「新しいまちの使い方」を、公民連携で具現化していくことになります。おおげさな言い方ではなく、岡崎のまちを変えるのはあなたです。

参加を希望する方は、こちらからお申込みください。2日間の出席が難しい場合は、報告会やゲスト講演の聴講も受け付けています。

 

まちのトレジャーハンティング@岡崎
日程:2017年2月18日(土)、19日(日) ※2日間
会場:岡崎シビコ6F(岡崎市康生通西2丁目20番地2)
▼詳細はこちら
http://re-re-re-renovation.jp/schools/th_okazaki

前田智恵美

前田 智恵美(まえだ ちえみ)

1984年、宮城県石巻市生まれ。ライター。東京のIT企業でWEB広告営業、WEBディレクターとして勤務後、結婚を機に夫の地元である愛知県岡崎市へ。自動車部品メーカー広報、出版社の新規事業立ち上げ・編集を経てフリーに。「QURUWA」の周辺に住んでいます。

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