おとがわプロジェクト

よりよいまちへの「引き継ぎ」とその「架け橋」を

各日で行われるショートプレゼンテーションのを通して内容をブラッシュアップしていきます
岡崎のまちを変える熱量がここにある。「第2回リノベーションスクール@岡崎」レポート①

10月21日から23日にかけて、岡崎シビコ6Fで「第2回リノベーションスクール@岡崎」が開催されました。リノベーションスクールとは、空き物件のリノベーションを通して、地域の再生やビジネスを考える講座です。この取り組みは2011年に北九州市でスタートし、全国に広まっています。

参加者は少人数のユニットに分かれ、まちに実在する遊休不動産や公共空間などを使用した事業の計画を立てるユニットワークを行います。投資計画や収支までシビアにシミュレーションし、最終日には各ユニットが考え抜いたビジネスプランを公開プレゼンテーションの形で提案します。

リノベーションスクールの大きな特徴として、全国各地でリノベーションスクールをきっかけに立ち上がった事業やイベントが次々と誕生していることが挙げられます。岡崎市でも、2016年2月12日から14日に行われた「第1回 岡崎リノベーションスクール@岡崎」に参加したメンバーが、同年10月に飲食店「wagamama house」をオープンさせました。

「wagamama house」内、「hokurani food」の店主で、第1回リノベーションスクールの受講生である中根利枝さん
「wagamama house」の運営メンバーで、「第1回リノベーションスクール@岡崎」受講生の中根利枝さん

 

地元産の食材を使った惣菜やヘルシーなスイーツなどを提供している「wagamama house」

 

第2回目である今回は、全国で初めて「ビジネススタートアップ・クリエイティブコース」と題したコースを開講。岡崎市内で事業を始める予定のビジネスオーナー3組がユニットに参加し、彼らの開業を後押しするために必要なもの─例えば建築デザイン、ロゴや販促ツール、収支計画などを提案するという、極めて実践的な内容です。

立ち上げるビジネスは、ラーメン屋、ゲストハウス、ローカルメディアの3つ。スクール受講生はそれぞれの希望やスキルを元に各ユニットに配置され、各ビジネスオーナーと、リノベーションの最前線で活躍するユニットマスターと呼ばれるファシリテーターと共にユニットワークを進めていきます。

ユニットマスターには、ラーメン屋を対象にしたユニットAにシェアハウス「アンモナイツ」大家の瀬川翠さん、古民家を改装したゲストハウスを対象にしたユニットB株式会社ルーヴィスの福井信行さん、ローカルメディアを立ち上げを目指すユニットC設計事務所スターパイロッツの三浦丈典さんが参加しました。

 

【10/21│スクール1日目
初日は、リノベーションスクールを運営する株式会社リノベリングの嶋田洋平さんによるガイダンスからスタートしました。

嶋田さんはスクールの流れについて「1日目は、ユニットワークを通して、ビジネスオーナーが考えている事業の構想を正しく理解する日。2日目は、事業収支や投資計画を検証する。そして、エリアへの波及力はあるか、オンリーワンであるかなどを検討し、プレゼンテーションのクオリティを研ぎ澄ます日にすること」と説明しました。

ユニットワークのコツは「徹底的に面白がることと、自分の意見にこだわらないこと」と話す嶋田洋平さん
ユニットワークのコツは「徹底的に面白がることと、自分の意見にこだわらないこと」と話す嶋田洋平さん

 

その後、各ユニットはそれぞれの事業内容や対象物件、課題について理解するために、まちを歩いてリサーチをしました。そして、集まったデータや感じた印象を話し合い、具体的な事業プランを練っていきます。

入り組んだ狭い路地が六供エリアを歩く受講生
狭い路地が入り組んだ六供エリアを歩く受講生

 

話し合い
対象エリアの特徴や課題を話し合うユニットC

 

ユニットワークの合間に、全国各地で活躍するゲスト講師陣による講演があります。1日目には、岡山県岡山市問屋町エリアでリノベーションを進める株式会社レイデックスの明石卓巳さん、数々の広告を手がける渡辺潤平社の渡辺潤平さん、自分らしい働き方を模索し小さなクッキー屋を営むSAC about cookiesの桜林直子さんが登壇しました。

「まちのグランドデザインをつくり、エリアのブランディングにコミットすることが必要」と語る明石卓巳さん
「まちのグランドデザインをつくり、エリアのブランディングにコミットすることが必要」と語る明石卓巳さん

 

ワークショップを交えて講義を行った渡辺潤平さんは、「言葉を深く考えると人生が豊かになる」と語る
ワークショップを交えて講義を行った渡辺潤平さんは、「言葉を深く考えると人生が豊かになる」と話しました

 

自分の幸せをあきらめないための、仕事のしかたや考え方を伝えた桜林直子さん
自分が感じる「幸せ」を諦めないための仕事の作り方や考え方を伝えた桜林直子さん

 

 

【10/22│スクール2日目

2日目は、ほぼ1日中、ユニットワークを行いました。出会ったばかりの、異なったスキルを持つ受講生たちが、ひとつのビジネスを進めるため、意見をぶつけ合い、プレゼンテーションを作成していきます。

考えを整理し、共通認識を持って進めていくユニットワーク
考えをひとつずつ整理し、共通認識を持って進めていくユニットC

 

プレゼンテーション用のスライドをプリントアウトし、内容を練るユニットA
プレゼンテーション用のスライドをプリントアウトし、内容を練るユニットA

 

1日目も2日目も、途中経過を報告するショートプレゼンテーションの場が設けられます。ここで各ユニットは、ユニットマスターやゲスト講師から、アイデアの平凡さ、収支計画の甘さなど、受講生が気づいていない点をきびしく指摘されました。なかには、これまで作り上げたプレゼンテーションの内容を、一から考え直すことも。

各日で行われるショートプレゼンテーションのを通して内容をブラッシュアップしていきます
ユニットBのショートプレゼンの様子。ゲストハウスのコンセプトや収支、設計案を検討していきます

 

2日目の講義には、東京・豊島区でまちづくりと飲食店を営む都電家守舎の馬場祐介さんが登壇しました。

飲食の仕事に関わる人は、丼の中だけでなく社会のことも考えよう!と語る馬場祐介さん
「飲食の仕事に関わる人は、丼の中だけでなく丼の外にある社会のことも考えよう」と語る馬場祐介さん

 

各ユニットは、ショートプレゼンテーションの講評や講義の内容を受けて、何度も話し合いを重ね、アイデアを形にしていく作業を夜通し進めていきました。徹夜で作業を進めるメンバーも続出。現実的に、目の前にいるビジネスオーナーの事業の立ち上げを目的としているため、妥協はできません。受講生からは、「普段の仕事よりも大変です……」なんて声も。

 

【10/23│スクール3日目

3日目、公開プレゼンテーションの時間になると、会場の岡崎シビコ中央駐輪場には、多くの聴講者が集まりました。すべてのプレゼンテーションは、YouTubeで視聴できます。

ユニットA
岡崎中心市街地の空き地を利用したラーメン屋台「らーめん かじ屋」を提案したユニットA

 

ユニットB
ゲストハウス「風と土」のコンセプトや設計案を発表したユニットB

 

ユニットC
ユニットCは、既成の概念にとらわれない新しい形のローカルメディアを提案

 

3日間に及ぶユニットワークでへとへとになっていた受講生も、公開プレゼンテーションを終えると達成感いっぱいの明るい表情に。短い時間のなかで事業をプランニングするいうことは、かなりの熱量が必要です。かけた熱量の分、得るものが大きいのということが、リノベーションスクールの醍醐味ではないでしょうか。

また、とことん話し合い、ときにぶつかりあって一つのビジネスプランを作りあげた受講生たちは、今後もつながっていくことと思います。そのつながりのなかで、今回の経験と互いのスキルを持ち寄った新たな化学反応が起きれば、また、まちは変わっていきます。

「第2回リノベーションスクール@岡崎」集合写真
「第2回リノベーションスクール@岡崎」集合写真

 

なお、この日行われた発表の中で、ユニットAのラーメン屋台「らーめんかじ屋」と、ユニットBのゲストハウス「風と土」は、ユニットマスターや受講生らの協力のもと、具体的に進められることになりました。

着実に、まちの風景が変わり始めています。

 

▼「第2回リノベーションスクール@岡崎」公開プレゼンテーション

 

 

参加者のリアルな声を聞いてみた!梶谷智樹さんインタビュー「第2回リノベーションスクール@岡崎」レポート②へ>>

前田智恵美

前田 智恵美(まえだ ちえみ)

1984年、宮城県石巻市生まれ。ライター。東京のIT企業でWEB広告営業、WEBディレクターとして勤務後、結婚を機に夫の地元である愛知県岡崎市へ。自動車部品メーカー広報、出版社の新規事業立ち上げ・編集を経てフリーに。「QURUWA」の周辺に住んでいます。

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